あっという間に3連休も最終日。
楽しい思い出はできましたか?
私はケーキ屋さんの移動販売を楽しみにしていましたが、その時間に限って突然のゲリラ豪雨に見舞われ、残念ながら自宅に引きこもってしまいました。
ところで皆さんはお休み明けになると仕事に行きたくないと感じることはありますか?
特に連休明けともなると
「もっと休みたいなぁ」
と思う方も多いのではないでしょうか?
サザエさん症候群という言葉もあるぐらいですから、休み明けに仕事に行きたくない気持ちはごくごく自然なものです。
しかし、中には病気のサインが隠れている場合があるので注意が必要です。
うつ病経験者であり、メンタルヘルス・マネジメント検定Ⅰ種およびⅡ種保有者である私が、危険な病気のサインと悪化させないために大切なことをお伝えします。
休み明けに仕事に行きたくない理由4つ
休み明けに仕事に行きたくないと感じる理由として主に次の4つが考えられます。
- 休みが楽しくて日常に戻りたくないと感じる
- 出かけたり、溜まった家事を頑張った疲れが出る
- 生活リズムの乱れ
- 仕事に対してストレスがある
みなさんも思い当たる節があるのではないでしょうか?
多くの方がこのような感情を抱くのはよくあることで、休み明けの仕事には行きたくないと思っても、実際にはいつも通り出勤できる方がほとんどです。
しかし、この中で病気の可能性が潜んでいるものが2つあります。
それは生活リズムの乱れと、仕事に対してストレスがある場合です。
あなたは、お休みの日はお昼ごろまで起きられないといったことはありませんか?
あるいは、お休みの日でも仕事のことが頭から離れずに夜なかなか寝付けなかったり、朝から体が重くぐったりして寝た気がしないことはありませんか?
そのような方は体が限界のサインを発しているのかもしれません。
まず最初に、職場におけるストレスの実態について見ていきましょう。
職場におけるストレスの実態
厚生労働省が2022年に行った「労働安全衛生調査」によると、労働者の約8割にあたる82.2%もの人が仕事や職業生活におけるストレスや悩みを抱えているといった結果が出ています。
私がメンタルヘルス・マネジメント検定試験を受けたときに出題された2018年のデータでは58.0%でしたので、ここ数年で何らかのストレスを抱えている労働者が急増したことが分かります。
一方で、ストレスが仕事の生産性を低下させることの認識が広まってきたことで、何らかのメンタルヘルス対策を行っている事業者の割合が約7割と増えてきています。
しかし、メンタルヘルス対策を行っている会社が増えているにも関わらず、ストレスを感じている労働者が増えているのはなぜでしょうか?
私は、ストレスやメンタルヘルス疾患に対する正しい認識が十分に広まっていないために、適切ではないメンタルヘルス対策が行われているのではないかと考えています。
次のパートでは、生活の乱れとストレスの関係についてご説明します。
生活の乱れとストレスの関係
ストレスとは
職場や家庭での人間関係、長時間労働、重い責任の発生など、個人にとって負担となる出来事を「ストレッサー」と言います。
これらのストレッサーによって引き起こされる
- 不安や怒り、不満などの「心理的反応」
- 疲れた、眠れないなどといった「身体的反応」
- これらによって引き起こされた喫煙や飲酒量の増加などの「行動の変化」
を「ストレス反応」と呼び、ストレッサーとストレス反応をあわせて「ストレス」と総称しています。
ストレスによる健康被害のメカニズム
ストレスを受けると、私たちの体の中では上の図のような反応が起こります。
大脳皮質が負担の大きさや困難性、苦痛の程度などを評価し、ストレスとして認知します。
ストレスとして認知された情報は大脳辺縁系の神経細胞を刺激し、ノルアドレナリン、ドーパミン、セロトニンなどの神経伝達物質が生産され、感情を引き起こします。
そして、その刺激が視床下部に伝わると、自律神経系、内分泌系、免疫系に反応が起こることで体の各器官に影響を与え、様々な病気を引き起こします。
つまり、職場や家庭などで脳に負担がかかると、不安な感情や不眠や過剰なアルコール摂取などの生活習慣の乱れにつながり、生活習慣病やうつ病などといった精神疾患を患う原因となります。
このような病気になることで更なる困難を感じるようになり、悪循環に陥ってしまうのです。
ですから、できるだけ早い段階でストレスに気付き、ストレッサーに対処することが肝心です。
ストレスチェックをしてみよう
ここまで読んでくださった方は、ストレスの恐ろしさと早めの対処が必要だということをご理解いただけかかと思います。
厚生労働省が運営する「こころの耳」というサイトでは、メンタルヘルスに関する様々な情報が発信されています。
この中に簡単にできるストレスチェックがあるので、自分のストレス度をチェックしてみましょう。
どうでしたか?
ちなみに私も今改めてやってみましたが、点数は7点、疲労蓄積度は「非常に高い」といった結果が出ました。
最近は受診を始めたころと比べて別人かと思うぐらい楽になったので大丈夫だろうと思っていたのですが、残念ながら満点という結果が出てしまいました。
これが精神疾患の恐ろしいところです。
自分は大丈夫と思っていても、気付いた時には治療が必要な状態になってしまっているのです。
ですから、定期的にストレスチェックを行って、少しおかしいなと感じたら、周りの人に相談したり、勇気を出して病院に行ってみましょう。
人に話を聞いてもらうだけでも全然違いますよ。
また、「こころの耳」にはストレス解消法も分かりやすく説明されていますので、ストレスを感じていなくても日常に取り入れておくと良いですね。
まとめ
- 休み明けに仕事に行きたくないと感じるのは、日常に戻りたくないといった気持ちや疲れ、生活リズムの乱れ、仕事へのストレスが原因
- 不安な気持ちや不眠、過剰なアルコール摂取などは危険な病気のサインの可能性がある
- 精神疾患に陥っていても自覚がない場合が多い
- 定期的にストレスチェックを活用し、ストレスがあれば早めに対処する
うつ病などのメンタルヘルス不調は誰にでも起こりうる問題です。
まじめで仕事のできる人、信頼性の高い人ほど、ある日突然仕事に来られなくなってしまうことが少なくありません。
また、うつ病だと何もできないと思われがちですが、人前ではニコニコ笑って過ごせてしまう人もいます。
私も職場の人に打ち明けた時、全然気付かなかったと言われました。
私は、うつ病の診断を受けるまで自分は大丈夫だと思っていましたが、実際には薄々体の不調を感じていました。
しかし精神科にかかるまでは6年という時間がかかりました。
「仕事なんだからしんどくて当たり前」
「自分はメンタルが強いから大丈夫」
そんな風に思っていたからです。
そして何より精神科にかかることが怖かったのです。
「精神科のお世話になるような人間はダメなんだ」
心のどこかにそんな偏見があって、それを認めたくなかったのだと思います。
そんな感情のせいで治療が遅れた結果、治療開始から2年経っても薬は増える一方です。
精神科や心療内科は決して恐ろしいところではありません。
通院している患者さんも一見何も問題ないように思える人がたくさんいます。
風邪は内科で、心は心の病院で治す。
ただそれだけのことです。
風邪にかからないように手洗いうがいをするのと同じように、心の病気にならないように、ストレスがあっても日頃から早めに対処すれば病院のお世話になる必要はありません。
心の病の恐ろしさはまた別の機会にお話しするとして、まずはそうならないように気を付けていきましょうね!