子供の教育費どのぐらいかかる?実は公立より私立の方がお得!?

子育て
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この週末は次男の2校目の高校見学に行ってきました。
これまでに見学した2校はどちらも私立の高校ですが、どちらも全く違う魅力があり、3年間にかかる費用も雲泥の差です。

また、来週からは公立高校の見学も始まります。
子供にはできるだけ希望の学校へ行ってもらいたいと思うのが親心ですが、

「できるだけ学費が安い公立高校へ行ってくれると助かるなぁ」

というのも本音ですよね。

そして教育費は一般的に幼稚園から大学までと、とても長い期間にわたって支払う必要がある費用で、人生の3大資金の1つともいわれています。
実際にどのぐらいかかるのかというのも具体的なイメージが付きにくいので、不安は大きいですよね。

私も第1子の教育費に関しては右も左も分からない状態で必死に支払ってきました。
先輩ママさんたちからは

「学校が上がるごとにゼロの数が増えてくよ~」

と脅されていましたが、確かにその通りだと実感しているところです。

しかし、長男が大学4年生となり、これまでたくさんの教育費を払ってきた経験から申し上げると、一概に公立の方が安く済むという訳でもないということに気付きました。

この記事では、幼稚園から大学までにかかる一般的な教育費の実態と、私立がお得な理由をお伝えします。

 幼稚園から大学までの教育費

幼稚園から高校までの教育費

まずは、幼稚園から高校までにかかる金額を見ていきましょう。

出展:文部科学省「令和3年度子供の学習費調査」より日本FP協会作成

上の図は、幼稚園から高校までのそれぞれの期間で、私立と公立でどれぐらいの教育費を保護者が負担したかを示しています。

ほとんどの方がお持ちのイメージ通り、どの期間においても私立の方が費用がかかるということが分かりますね。

そして、かかった総額をよく見ていくと、あることに気付くことができます。

まず、それぞれの項目で必ずかかる費用は、学校教育費①と学校給食費②です。
学校教育費①には、授業料の他に入学金、学校納入金、文具などの学用品、課外活動や修学旅行費、通学費などが含まれます。
学校外活動費③は、塾などの習い事や、部活にかかる費用、地域活動に参加する費用などです。

幼稚園の頃は公立・私立共に通学費や習い事にかかる費用の割合が多く、小学校以降は私立では授業料が最も大きな割合を占める傾向が見られました。
また小学校以降は、小学校、中学校、高校と進級するにつれて、塾にかける費用が増えていくようです。

ここで注目していただきたいのが、小学生以降の費用総額です。

公立の場合は中学校で最も費用総額が高くなるのに対し、私立の場合は小学校の頃が最も高く、中学、高校と進んでいくにつれ、費用総額が少なくなっていきます

少し意外な感じがしませんか?

これに対する私の見解を申し上げますと、受験が深く関わっていると思うのです。
これは私が冒頭で申し上げた

「一概に公立の方が安く済むという訳でもない」

という理由にも繋がってくるので、またのちほどお話ししましょう。

高校までの教育費と「お受験」の関係

みなさんが子供に「お受験」をさせる理由は何でしょうか?

「小さい頃から私立の学校に入れておけば、将来良い大学に入りやすいから」

といった理由の方が多いのではないでしょうか?

良い大学の定義は人それぞれではありますが、お受験をする理由として、一般的に偏差値が高かったり有名大学に入ることで就職先に困らないようにしてあげたいという親心の表れでしょう。

もしくは、小さい頃からグローバル教育が盛んな学校に入れることで、バイリンガルに育てたいというご家庭もあることでしょう。

こちらの表をご覧ください。

出展:文部科学省「令和3年度子供の学習費調査/令和3年度における幼稚園3歳から高等学校第3学年までの15年間の学習費総額」

こちらは、幼稚園(3歳)から高校までの15年間で、私立と公立の組み合わせによって、どのぐらい教育費の総額が変わるかを比較した図です。

全て公立に通った場合はおよそ600万円、全て私立に通った場合は1,800万円と、その差が約3倍であることに驚きます。

それと同時に、ケース4の私立小学校にかかる費用が圧倒的に目立っていますね。
小学校は6年間と期間が長いので、必然的に教育費は他の期間よりも高くなります。
子供の将来のために私立の小学校へ入学させるとより教育費の差が広がる原因となるのですね。

教育費の総額が高くなるかどうかは、小学校を公立にするか私立にするかが左右するといっても過言ではないでしょう。

大学にかかる費用

大学は、国公立か私立かの違いと共に、学部ごとにもその費用が大きく変わります。

筆者作成 参考:文部科学省令和5年度調査資料

国立大学の授業料や入学金、検定試験料は「国立大学等の授業料その他の費用に関する省令」で標準額が定められており、一定の範囲内で各大学が決めることになっています。
また国立大学の施設使用料は原則無料であり、大学によってはその面積などから特別に定めている場合があります。

そのため、国公立大学では学費が安く済みますが、学校施設に投資できる資金が少ないため、私立大学のように最新の設備の中で学習を行うことが難しいかもしれません。

私立大学においては学校ごとに学費は異なりますが、学部ごとにおおよそ上記のような金額が平均的なものとなっています。
しかし、文系であっても専攻する学科によっては理系以上の学費がかかる場合があります。

例えば、私の息子は私立大学の文学部に所属していますが、彼の専攻は心理学です。
一般的に心理学部や心理学科は文系に分類されますが、その学習内容は統計や実験、実習が多く、理系と同等もしくはそれ以上の学費が設定されていることが多いです。

また、心理学の国家資格である公認心理士や認定資格である臨床心理士資格を取るためには大学院に行く必要があるので、文系であっても教育費の総額はどうしても高くなります。

同じように、看護系学部なども医学部ほど高額にはなりませんが、実習などがあることで比較的高い学費となる傾向があります。

このように大学では何を学習するかによって大きく費用が異なりますので、お子さんの夢にあわせて資金計画を立てておく必要があります。

公立よりも私立の方がお得になる場合がある理由

ここまでは、各ライフステージでどのぐらいの教育費がかかるのかを見てきました。

みなさんの予想通り公立よりも私立の方が費用がかかることが確認できましたね。

それでも私が「公立よりも私立がお得」と言うのはなぜでしょうか?
その理由は、高校までの学校外活動費にあります。

これまで、長男と次男の高校見学をいくつか経験してきましたが、最近の私立高校の特徴として、放課後の学習環境の良さがあげられます。
放課後には有名塾による特別授業があったり、自習室には京大生が常にチューターとして存在しているなど、学校以外に塾に入って勉強する必要がないのです。

また、目標とする進路ごとにクラス分けがされていることも最近の傾向です。
例えば、難関国立大を目指すコース、難関私立大を目指すコース、公立大、中堅私大、海外の大学など、それぞれの進路に向けたカリキュラムが組まれています。
3年間の間に進路の希望が変わっても、一定のレベルをクリアしていれば、別のコースに変更することも可能です。

週末に見学に行った高校では、一番上のクラスでは昨年は全員が国公立大学に進学したとの結果を出しているそうです。
しかも部活の制限もありません。

公立高校では塾や予備校に行かずこのような結果を出すのはなかなか難しいですよね。

また私立ならではなのが、試験なしで内部進学できてしまうというところが大きなメリットですよね。
内部進学だけでなく、他の私立大学への指定校推薦も公立よりも多い傾向があります。

私立の学校で小学校以降、学校外活動費が進学するごとに下がっていく理由はここにあるのです。

中学校で私立の学校に入学できれば、塾代が削減でき、子供たちは受験の心配をする必要がなく学校生活を最大限満喫することができます

もちろん学費はその分高いですが、最近は国の補助金の他に各自治体の私立学校に対する助成金も充実してきましたから、その学費の差は徐々に縮まってきています。
また、学校独自の奨学金が用意されている学校も多いですから、

「私立は高いから」

と決めつけてしまうのはもったいないかもしれません。

学校を検討する際には、まずは私立は高いという固定観念を一旦横に置いてみるとお子さんの選択肢も広がることでしょう。

まとめ

  • 教育費は人生の三大資金の一つ
  • 幼稚園から高校まで、公立よりも私立の方が教育費の総額は高い
  • 小学校は6年間と長いので、私立の小学校に進学すると教育費の総額に大きな差が開く
  • 大学になると公立と私立の差だけでなく、学部や専攻によっても学費が大きく変わる
  • 私立の場合、進路に合わせたカリキュラムや校内で塾講師の指導が受けられるなどの環境が整っているため、学校外で塾に通う必要がなく、費用が抑えられる
  • 国や自治体の助成金や奨学金制度などにより、私立と公立にかかる費用の差が縮まり始めている

こんな話をすると、だんだんと私立一択になってきてしまうような話になってしまうのですが、実は今、文部科学省では国公立大学の学費を上げようという話が持ち上がっています。
なんでも、私立との学費の格差を埋めることで、学生獲得のための公平な競争を促すという理由だそうです。

また、この議論を進めるにあたって、奨学金制度を充実させることもあわせて検討されているとのこと。
国公立大学には生活が苦しくても学ぶ機会を与える場所であることが期待されていると思うので、この議論は慎重に進めていただきたいなと望むばかりです。

この議論の中では国立大の学費を100万円上げようなどという意見も出ているとのことです。

ですから、今から教育資金を貯めようと考えているご家庭は、この議論も踏まえて余裕を持った資金計画が必要です。

お子さんがまだ小さいご家庭は学資保険や財形貯蓄、積み立てNISAなどを活用すると良いでしょう。

もうあまり、大学進学まで時間がないよというご家庭は、国の教育ローンや奨学金制度などを検討しましょう。
最近では就職したら奨学金を肩代わりしてくれる企業や、成績や収入に関係なく小論文などで夢を語ることで奨学金を給付してくれる企業などもありますので、そのような情報も積極的に集めておくと良いでしょう。

我が家もまだまだ教育費との戦いは続きます。

一緒に頑張って乗り越えましょう!

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