今日は少し嬉しいことがありました!
精神科の定期受診の日だったのですが、病名が「うつ病」から「適応障害」に変わりました!
どちらもしんどいことに変わりはないのですが、私にとっては暗くて先の見えない長いトンネルにやっと一筋の光が差したように感じます。
とはいえ、うつ病は再発率の高い病気です。
お薬が減ったわけでもないですし、治療はまだまだ続きます。
治療が長引くと負担になるのが医療費ですよね。
精神的な病気を患っているのに医療費の負担がかさむと不安がつのり、さらに体の具合を悪くしてしまう原因となります。
そんな時に心強い味方となるのが自立支援医療制度の活用です。
自立支援医療制度とは何なのか?
自立支援を受けるとどんなメリットがあるのか?
自立支援を受けるにはどうすればいいのか?
今日はこの3点についてお話ししたいと思います。
自立支援医療制度とは
まずは自立支援医療制度の概要を見てみましょう。
自立支援医療制度は、心身の障害を除去・軽減するための医療について、医療費の自己負担額を軽減する公費負担医療制度です
引用:厚生労働省「自立支援医療制度の概要」
自立支援医療制度には大きく分けて3つの種類があります。
- 精神通院医療:精神保健福祉法第5条に規定する精神疾患を有する者で、通院による精神医療を継続的に要する者
- 更生医療:身体障害者手帳の交付を受けた者(18歳以上)で、治療により確実に効果が期待できる者
- 育成医療:身体に障害を有する児童(18歳未満)で、治療により確実に効果が期待できる者
私の場合は精神疾患の治療を行っているので上記の1番にあたり、自立支援医療受給者証(精神通院医療)というものを利用しています。
同様に、2番や3番に該当する人は自立支援医療受給者証(更生医療・育成医療)を活用することができます。
これらの受給者証は省略して「自立支援」や公費負担者番号の最初の2桁から「21(ニーイチ)」などと呼ばれており、指定された病院や薬局、介護保険サービスで利用することができます。
私はこの自立支援を受けることができているおかげで大変助かっています。
自立支援を受けると実際にどんなメリットがあるのか、次のパートで見ていきましょう。
自立支援を受けるとどんなメリットがある?
こちらの画像は私の自立支援医療受給者証です。
病院や薬局などで治療を受ける際に提出することで、医療費の自己負担額が1割に減額されます。
また、世帯年収によって1か月の自己負担上限額が設けられており、病院、薬局、介護サービスで支払った合計額がこの自己負担上限額を超えると、その月はそれ以上の支払いをする必要がありません。
例えば私の場合だと「月額10,000円」と書かれていますので、毎週通院したり、高額なお薬が出た場合でも、ひと月につき最高1万円までとなり、それ以上の請求をされることはありません。
実は最近、発達障害のグレーゾーンであると医師から告げられ、インチュニブ錠というお薬を処方されるようになりました。
このインチュニブというお薬、実は少し高額なのです。
規格 | 薬価 |
インチュニブ錠1mg | 398.8円 |
インチュニブ錠3mg | 527.2円 |
このお薬は18歳以上の場合2mgからスタートし、症状や体重にもよりますが、通常4mg~6mgを毎日服用します。
例えば4mgを4週間分処方された場合
(398.8円+527.2円)×28日分=25,928円
となり、3割負担の場合7,780円の負担が必要です。
実際のお薬代の計算方法はもっと複雑で、この金額の他に各薬局ごとにかかる基本料や調剤料、各種加算や指導料などがかかります。
しかも精神科で治療を行っている場合、この他にもかなりの数のお薬を処方されている方が多いので、実際にはもっと多くの医療費がかかります。
発達障害の場合は基本的にこれをずーっと飲み続けることになるので、生涯の支払額を考えると…
考えたくもないですね(笑)
しかし、自立支援を受けることができると自己負担額が1割となるので、薬価だけで考えると2,590円の負担で済みます。
お金の負担も心の負担もグッと軽くなりますよね。
さらに、年間の医療費が10万円を超えてしまった場合には通常通り医療費控除を使うこともできます。
ただし、自立支援は対象の疾患の治療のためにしか使用できないので注意が必要です。
「風邪をひいてしまったのでついでに風邪薬をください」
という時は風邪薬の分は対象外となり、風邪薬代はきっちり3割分徴収されますので薬局に文句を言わないでくださいね(笑) 注:年齢等により負担割合は異なる
また、自治体によっては障害者手帳があると自己負担の上限額が更に安くなる福祉医療費受給券が発行される場合がありますので、対象となる方はお住まいの地域に確認してみてくださいね。
自立支援を受けるために必要な手続き
自立支援を受けるためには、お住まいの都道府県に申請する必要があります。
自治体によっては市区町村が窓口となっている場合がありますので、分からない場合はかかりつけの医療機関に聞いてみると教えてもらえますよ。
申請の際に必要な書類は以下の3点です。
- 申請書
- 医師の診断書
- 健康保険証
申請書には、治療を受ける医療機関の情報が必要となります。
また、マイナンバーの記載も必要となりますので忘れないようにしてくださいね。
受給者証が届くまでには3か月ほどかかりますが、申請したその日から自立支援を受けることができます。
ただし証拠がなければ医療機関側も対応してくれませんので、申請した際は必ず控えを貰ってくださいね。
また、医師に診断書を発行してもらう場合には診断書が別途かかります。
一般的に3,000~6,000円程度かかることが多いので、診断書の作成をお願いする場合には多めのお金を持っていくと安心です。
まとめ
- 自立支援医療制度は大きく分けて3つあり、医療費の自己負担を軽減してくれる
- 自立支援を受けると自己負担額が1割になるとともに、収入によって1か月あたりの負担上限額が設けられ、経済的にも心理的にも負担が軽減できる
- 対象となる疾患以外には自立支援は使えないので注意が必要
- 自立支援を受けるためには住んでいる都道府県に申請する必要がある
- 申請時には医療機関情報やマイナンバー、医師の診断書、健康保険証が必要となる
自立支援は主治医から申請の提案をしてくださることもありますが、自分からお願いしないと診断書を書いてもらえない場合があります。
自立支援の対象者であっても申請しないと通常の医療費を払わなければなりませんので、できるだけ早い段階で医師に相談することをおすすめします。
また、調剤薬局に勤めていた時に患者さんから
「みんなの血税を使って申し訳ない」
と言われることが多々ありました。
「税金は困っている人のために使うものなのだから、遠慮なんてする必要ないですよ。そのために今まで健康保険料を納めてきたんじゃないですか。堂々と使ってください。」
と偉そうに励ましていましたが、実際に私も受給者証を手にした時には同じような気持ちになりました。
特に精神疾患を患ってしまった場合はどうしても考え方がネガティブになりがちですし、元々まじめな方がうつ病などになりやすいので、そう思ってしまうのは自然なことなのかもしれません。
でも今改めてはっきり申し上げます。
「あなたのために使うものです。遠慮なく使ってくださいね。」