先日、病院の定期受診に行ったところ、「更年期障害」の治療に使うお薬が処方されました。
婦人科ではないこともあってか、主治医からはっきりと診断されたわけではないのですが、薬剤師さんとの話の中で、
「更年期障害の可能性は高いよね」
という結論に至りました。
女性の病気として知られる更年期障害ですが、実は男性も更年期障害で苦しまれている方がたくさんいらっしゃいます。
厚生労働省が令和4年に男性2025人に対して行った調査では、病院を受診して更年期障害と診断された人の割合は、全体の1.9%であり、更年期障害を疑っている人も含めると7.9%に及ぶことが分かります。
これを男性の人口(20~64歳)に換算すると約260万人になりますが、潜在的な人数も含めると600万人に及ぶのではないかともいわれています。
更年期障害の症状が出ると、パフォーマンスが落ち、仕事にも影響が出ることがあります。
女性に比べて理解もされにくいでしょうから、その悩みは大変深いものでしょう。
この記事では男性の更年期障害の症状と対策についてご紹介します。
男性更年期障害の主な症状
男性の更年期障害は医学的に「LOH症候群(Late-Onset Hypogonadism)」と呼ばれています。
年齢を重ねることで男性ホルモン(テストステロン)の分泌が低下することで引き起こされ、次のような症状が起こります。
1.精神的な症状
- 気分の落ち込みや不安感
- イライラや集中力の低下
- 睡眠障害
2.身体的な症状
- 筋力の低下や体脂肪の増加
- ほてりや発汗
- 疲労感や関節痛
3.性機能の低下
- 性欲の減退
- 勃起障害(ED)
これらの症状は、加齢による変化として見過ごされがちですが、実際にはLOH症候群が原因である場合が多くあります。
また、このような症状は、仕事や生活に支障が出る可能性が高くなります。
家計へ悪影響を与えることにもなりかねませんので、早期に対策を講じたいですよね。
どのように対策すればよいのか確認していきましょう。
男性更年期障害の対策
男性の更年期障害の対策は、生活習慣の改善によるものと、病院での治療による方法があります。
1.適度な運動
有酸素運動や筋力トレーニングを取り入れることで、テストステロンの分泌を促進します。
2.バランスの取れた食事
抗酸化作用のある食材を積極的に摂取し、過剰なアルコールや加工食品の摂取を控えましょう。
3.十分な睡眠
睡眠の質を向上させることで、ホルモンのバランスを整えます。
4.ストレス管理
瞑想やリラクゼーション、趣味活動などでストレスを発散させることが重要です。
5.漢方薬の利用
八味地黄丸や桂枝加竜骨牡蛎湯など、症状に応じた漢方薬を使用することも効果的です。
まとめ
- 男性の更年期障害は、加齢に伴うテストステロンの減少によって引き起こされる
- 適切な治療と生活習慣の改善によって管理することが可能
治療による対策は、テストステロン補充療法という注射や塗布剤を利用した治療法もあります。
しかし、治療にはリスクも伴うため、慎重な判断が求められます。
必ず医師の指示に従うようにしてください。
男性更年期障害に適切な対策を講じることは、健康で充実した生活につながります。
また、身近な人の理解が得られることも治療に重要なことの1つです。
更年期障害は誰にでも起こりうることです。
周囲の人も男性の更年期障害について正しく知り、できるサポートをしていきたいものですね。