昨日(2024年9月10日)、東京大学が2025年度入学生から授業料を引きあがることが報じられました。
これに便乗して、
「他の国公立大学も値上げに踏み切るのではないか」
と懸念する声も聞こえてきます。
大学側がこのような決断を迫られることになった背景には、国からの交付金が減額されてきたことがあります。
私は個人的に、これからの日本を担う若者たちに対する国の対応はいかがなものかと憤りすら感じてしまいます。
子供が国公立大学を選択する理由の1つに
「親に経済的負担をかけたくない」
という思いがあります。
同じような思いから、自らの希望で奨学金を利用する学生も多くいます。
今や大学生の2人に1人は利用しているとされる奨学金。
奨学金制度の実態を詳しくご紹介していきますね。
様々な奨学金制度
奨学金と一口に言っても、その種類は様々です。
奨学金利用者の大半が利用しているのが国の独立行政法人である「日本学生支援機構(JASSO)」の奨学金です。
私の息子もこちらの奨学金を利用しています。
日本学生支援機構の奨学金の他、地方自治体や民間の団体、各大学が用意している奨学金などがあり、その条件は様々です。
最近では、入社すると奨学金を返済してくれる企業なども出てきているんですよ。
就職活動をする際の基準の1つになりそうですね。
また、息子の通う大学では家計によらず成績優秀者への給付型奨学金があります。
本人は自信がないと言って応募しませんでしたが、結果を振り返ってみればかなり多くの学生が基準を満たしていたようで、挑戦せずに少し後悔しているようです。
来年度からは大学院に進学する予定なので、次は応募してみたいと意欲を見せてくれています。
その他にも、スポーツの成績が優秀な学生向けのものや、課外活動に力を入れている学生、障害を持つ学生、海外留学をする学生、特定の講義を受けている学生など、奨学金の種類はバラエティに富んでいます。
特に給付型の奨学金は大きな家計への助けになりますから、学生の皆さんはどんどんチャレンジしてみると良いのではないかなと思います。
奨学金の申し込みに必要な条件
ここからは、日本学生支援機構の奨学金についてご説明します。
日本学生支援機構の奨学金には給付型の奨学金と貸与型の奨学金があります。
また、貸与型は無利子の第一種奨学金と、有利子の第二種奨学金に分かれており、第一種の方が条件は厳しくなっています。
奨学金を受けるためには、給付型、貸与型ともに家計の状況と、学業成績が一定の基準を満たしている必要があります。
それぞれの条件は以下の通りです。
家計要件
住民税非課税世帯とそれに準ずる世帯の学生
上記の金額はあくまでも目安であり、家族構成や家族の年齢、その他さまざまな家庭の事情を考慮して決定されます。
たとえば、現在大学生が1人、中学生が1人いる私の家族構成の場合だと、貸与型であれば収入が1127万円以下であれば申し込むことができるとされています。
この金額は日本学生支援機構の奨学金シミュレーターで計算することができます。
あなたのご家庭の場合はどのような奨学金を利用可能か、一度シミュレーションしておくと良いですね。
学業成績の基準
- 入学1年目:高校在学時の評定平均または学習計画書の提出などにより、学修意欲があると認められた人
- 入学2年目以降:在学中の平均成績等、または単位の取得状況と学修計画書の提出などにより、学修意欲があると認められた人
具体的には下記の表のとおりです。
毎年継続更新の際には、その時の学力状況や家計の状況などを詳しく報告する必要があります。
もし一定の基準を満たしていない場合は、奨学金の支給停止や打ち切りといった対処をとられることがあります。
実は私の夫も奨学金を利用していたのですが、1年生の時に留年が決まってしまい、打ち切りとされてしまいました。
学生生活をエンジョイするのも良いですが、入学後もしっかりと勉強に励まないといけないということを覚えておいてくださいね。
奨学金の返済が困難な場合はどうすれば良いか
無事に基準を満たし奨学金を借りることができても、返済計画はしっかりしておかなければいけません。
しかし、当初は返せる範囲で借りていたつもりでも、返済が困難になる場合もあるでしょう。
例えば、災害や病気で収入が途絶えてしまうことも考えられます。
そのようなときはどうすればよいのでしょうか?
実は、返済が困難になった時のセーフティーネットがあります。
1.返還期間猶予制度
災害、傷病、経済困難、失業などで返還が困難になった場合、返還が猶予される
2.減額返還制度
経済的理由で返還が困難な人のうち、月々の返済額を減額すれば返還可能となる場合、一定期間返済額を減額し、返還期間を延長するもの
3.返還免除制度
- 奨学生が死亡または心身の障害により返還不能となったとき、返済が済んでいない分の全部または一部を免除するもの
- 大学院において無利子の奨学金を貸与した学生で、特に優れた業績を上げた場合、全額または一部の返還を免除するもの
これらの制度を利用するには申請が必要です。
もし、どうしても返済が難しくなった場合は、このような制度に頼るということも考えてみてくださいね。
まとめ
- 奨学金は、多くの学生が利用している日本学生支援機構の奨学金の他、地方自治体や民間の団体、各大学が用意しているものもある
- 奨学金には給付型のものと貸与型のものがある
- 奨学金の支給を受けるためには、一定の条件を満たす必要がある
- 家計の状況が変わったり学業成績が悪い場合は、奨学金を打ち切られることがある
- 奨学金の返済が困難になった場合は、返還期間を延ばしたり、月々の返済額を減額できる制度がある
奨学金を利用している学生は20年前に比べ約2倍に増えています。
物価の上昇に賃金の上昇が追いついていない現在、この数字はこれからも増えていくでしょう。
奨学金を利用する場合は、余裕を持った返済計画を立て、打ち切りにならないようにしっかりと勉学に励むようにしてくださいね。
奨学金を利用する際に参考にすべき情報源を書き留めておきますね。