保険はいらない?あなたは保険に入る必要性が高いか低いか見極めよう!

健康
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私のプロフィールをご覧になってくださった方はいらっしゃるでしょうか?
プロフィールの中で私は「保険を売らないFP」と称しています。

世間ではよく保険不要論が聞かれますが、保険が必要ないと考えているわけではありません。
私が保険を売らないのは単に保険を売るための資格を持ち合わせていないだけです。(保険募集人資格は持っていました)

ただ、日本は公的保険がとても充実していますので、それらをフル活用することで重複するような部分はできるだけ省いていただきたいと思っています。
そして、浮いたお金はあなたやあなたの大切な人の人生を豊かにするために使っていただきたいというのが私の願いです。

この記事では、保険に入る必要性が高い人と低い人についてご紹介したいと思います。

保険とは

私たちファイナンシャルプランナーがもつ資格は、「ファイナンシャル・プランニング技能士」という国家資格です。

この資格を得るために、6つの分野の勉強をしなければなりません。
資格を取得してからも、AFP、CFPと称しているファイナンシャルプランナーは、その6つの分野について勉強を続けていくことが求められています。

6つの分野とは

  1. ライフプランニング・リタイアメントプランニング
  2. 金融資産運用設計
  3. 不動産運用設計
  4. リスクマネジメント
  5. タックスプランニング
  6. 相続・事業承継設計

とされており、この中で民間の生命保険や医療保険などは「リスクマネジメント」の分野に当たります。
一方で、公的医療保険や社会保険、年金などは「ライフプランニング・リタイアメントプランニング」の分野になります。

これらが示しているのは、長い人生の計画を考える上では、まず公的保険制度が基本としてあり、それだけではまかないきれないリスクに備えるのが民間の保険の役目であるということです。

保険がいらないと言われる理由

保険がいらないと言われる理由は、主に次の3つがあげられるでしょう。

  • 日本の公的保険制度が充実しているから
  • 保険を利用する機会が少ないから
  • 貯蓄があればよいから

昨日、日本経済新聞に「家計の生保離れ、16年ぶり高水準 新NISAで投信に流入」という記事が掲載されました。

新NISAが始まったことによって資産運用が身近になり、「貯蓄から投資へ」という意識が浸透してきた証拠でもあるでしょう。

民間の保険を利用する機会が少ないために、支払った保険料の元が取れないからもったいないと考える方も多いのではないでしょうか?
今まで保険料として払っていたお金を投資に回して資産を増やすことができれば、民間の保険は不要と考える人が増えるのも自然な流れでしょう。

しかし、元が取れないという理由だけで保険に入らなかったり、安易に保険の解約をすることは大変危険です。

さらに、投資には必ずリスクがあります
投資で資産を増やして健康リスクに備えるという考え方は、リスクマネジメントができているとは言い難いものです。

問題は支払いが困難になるような出来事が起きた時です。

そのようなリスクに対して、民間の保険で備えるのがリスクマネジメントです。

支払いが困難になる場合とは

支払いが困難になるような出来事とはどんなものがあるでしょうか。

例えば、骨折などで手術を伴う入院をしたとしましょう。
入院日数が長期にわたれば医療費もその分高くなりますが、社会保険の高額療養費制度を使えば10万円ほどで収まるでしょう。
その後も数回の通院があるかもしれませんが、多くの方が貯金でなんとかできるのではないかなと思います。

では、今度は大きな病気にかかり、長期の入院が必要になったとしましょう。

病気にもよりますが、治療自体は保険適用になるものが多いので高額療養費の適用となり、ひと月の医療費の上限額までの支払いで済みます。
上限額は所得によって変わりますが、9万円弱の方が一番多いでしょう。

しかしこの金額はあくまでも1か月あたりの金額です。

毎月、毎月9万円ずつ払い続けます。
制度上、4か月目からは上限額が4.5万円ほどになりますが、半年も1年も続いたらどうなりますか?

日本には医療費控除というものがありますので、年間10万円以上医療費がかかった場合は、10万円を超えた分については所得控除を受けることができ、その分の税金は戻ってきます。
しかし、医療費控除でお金が戻ってくるまでの間は、自分の手元資金から払うしかありません。

しかも、長期の入院が必要な病気なのであれば、多くの人が個室を選ぶのではないでしょうか?

個室代は高額療養費制度も医療費控除も対象外です。
1泊5000円だとしても30日で15万円です。
半年間、1年間耐えられますか?

しかも、そのような状況であれば仕事もできませんよね。
社会保険から傷病手当金が給付されますが、給付額はおよそお給料の2/3です。
しかも、個人事業主などで国民健康保険に加入している人は、このような手当金はありません。

入院しているのが小さな子供がいる専業主婦の場合だったらどうでしょうか?
傷病手当金は1円も給付されません。

しかも今まで行っていた家事や子育ては誰がやるのでしょうか?

旦那さんは子供を幼稚園にお迎えに行くために早退したり、お休みしなければならないかもしれませんから、当然残業代もなくなるでしょう。
食事の準備に慣れていない方であれば、お惣菜やお弁当、外食が増え、食費がかさみます。

私は入院こそしていませんが、心の病のせいで食事の支度ができなくなって2年程経ちます。
夫は今も食事の支度に慣れず、月に3~4万円程度だった食費がもうずっと毎月10万円を超えています。
10万円で収まったらまだいい方です。

この状況をサポートしてくれる保険は公的にも民間にもありませんので、全部実費です。

働く時間をセーブしていますので収入も減っています。
しかし、子供たちは来年には大学院と高校へ進学する予定です。

子供は小さければ手がかかり目が離せませんし、大きければ多くのお金がかかります。

これは、入院した時だけではなく、万が一専業主婦の方が亡くなった場合にも起こることです。

旦那さんが亡くなった場合は、社会保険から葬儀や埋葬の補助金として5万円が支給されるとともに、遺族厚生年金を受け取ることができます。
また、旦那さん名義の住宅ローンの残債もゼロになります。

しかし、専業主婦の方が亡くなった場合はこのような保障はありません

このように、病気やケガなどで必要となる費用は、その治療費だけにとどまらないことがあるのです。旦那さんだけではなく、奥さんに万が一のことがあった時の負担も見落としがちな点でしょう。

保険に加入する必要性が高い人と低い人

これまで見てきたように、支払いが高額になるような出来事が起きた時、それに耐えられる環境かどうかが分かれ目だとお分かりいただけたと思います。

具体的にまとめていきましょう。

保険の必要性が高い人
  • 子供がいる人
  • 個人事業主などの国民健康保険の加入者
  • 専業主婦
  • 貯蓄が十分でない人
保険の必要性が低い人
  • 独身の人
  • 貯蓄が十分にある人

リスクマネジメントという観点からみると、貯蓄性の高い生命保険に医療保険の特約を付けて備えられると一番安心です。

しかし現実は、保険の必要性が高い人である貯蓄が十分にない人ほど、保険にまわすお金がないというのも事実でしょう。
保険料が割安な掛け捨ての医療保険はもったいないと思うかもしれませんが、あるかないかでは大きな違いです。

保険は病気になってからでは加入できなくなったり、加入できても保険料が高くなったり、保障される病気が限定されたりします。
健康だからと安易に「保険は必要ない」と決めつけてしまわずに、健康な時ほど自分の状況と照らし合わせながら慎重に考えていきたいものですね。

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