親の介護費用どのぐらいかかる?帰省時に親と話しあう機会を持とう!

健康
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いよいよオリンピックが始まりましたね!
みなさんはどの競技に注目していますか?

私は小学生からバレーボールをやっていたので、バレーボールをとっても楽しみにしています。
特に最近は石川選手や高橋藍選手、西田選手とイケメン揃いで男子バレー人気が凄いですよね!
しかし大会直前、ミドルの高橋健太郎選手、セッターの関田誠大選手と負傷が続いており大変心配しています。
お二人とも出場に影響はないそうなのでホッとしましたが、最後まで大きな怪我なく最高のプレーを見せてくれることを期待しています。

実はこのパリオリンピック、私の両親が観戦チケットをGETしたのです!
しかも、陸上の決勝という非常に貴重なチケットに当選したと聞いた時は本当にビックリしました。

がしかし、なんと両親はこの貴重なチケットを辞退してしまったのです。

「もったいない!!!!!」

というのも、このチケットが当たる直前に私の両親は

「人生最後の海外旅行だ」

と言って出掛けたフランス旅行から帰ってきたところだったのです。
しかも、当選したチケットは他人に譲ることもできず、手続きもフランス語?で行わなければならなかったそうで、あえなく辞退といった形になってしまいました。

今思えば、兄弟でお金を出し合ってでも、オリンピックを見せてあげたかったなと少し後悔しています。

さて、前置きが長くなりましたが、なぜ私がこんな話を持ち出したかというと、

「自分の親と会って話ができるのってあと何回ぐらいなのかな?」

ということに皆さんに気付いていただきたかったからです。

あまり考えたくないことかもしれませんが、自分の親がいつまでも元気でいるとは限りません
自分も親も後悔しないために、一度ご両親と将来について話してみませんか

あと何回、親と会って話せるか

私の両親は、現在70代です。
父は心臓の病気を抱え、母は長い間、難病やガンと戦ってきました。
今は2人とも元気で暮らしていますが、帰省するたびに白髪が増え、頭が薄くなり、体も痩せていく姿を見ると、永遠ではないんだなぁと切なく思うことがあります。

あなたは、自分のご両親とあと何回会って話せるか考えたことがありますか?

私は、お盆とお正月ぐらいしか実家に帰らないので、例えば両親が100歳まで生きてくれたとしても、せいぜいあと50回ぐらいです。
日数に置き換えてみれば2か月もありません。
そう考えると、残り少ない時間を大切にしたいなとは思いませんか?

でも実際は50回会えたとしても、ちゃんと話ができる機会はもうそんなにないでしょう。

例えば親が認知症になったらどうでしょうか?

我が国においては、急速な高齢化の進展に伴い、令和7(2025)年には約 700 万人、65 歳
以上高齢者の約5人に1人が認知症となると見込まれている

引用:厚生労働省「認知症と向き合う「幸齢社会」実現会議 とりまとめ」

このように厚生労働省の調査では、もう来年には700万人もの人が認知症になると発表されてします。

私の両親は元気で暮らしていると申し上げましたが、やはり実家に帰って話をすると、会話の節々で何度も同じ話を繰り返したりする場面が増えてきたと感じています。
ですから、実際にちゃんと会ってまともに話ができる機会というのは、もうあまりないのかもしれないと思っています。

また、認知症にならなかったとしても、70歳を超えたあたりから介護が必要となる人の割合が急激に増えてくるというデータも出ています。

両親がどんな介護を望んでいるかによって、介護に必要な費用も変わってきます。

ですから、現実から目をそらさず、しっかり会話ができるうちに、両親がどんな将来を望んでいるか話し合ってみてほしいのです。

親がどんな介護を望んでいるかを知ろう

出展:日本FP協会

こちらは、内閣府の「高齢者の生活と意識に関する国際比較調査」から日本FP協会が作成したグラフです。
身体機能が低下して自分の力だけでは生活が困難となった時、どこで暮らしたいかという希望を他の国との意識の違いを表しています。

諸外国では多くの方が自宅へ留まりたいと考えているのに対し、日本では年々自宅よりも高齢者住宅や老人ホームなどの施設で暮らしたいと考えている方が増えていることがうかがえます。
施設や訪問介護サービスが充実してきたことも背景にあるでしょう。

しかし、その内訳をよく見ていただきたいのです。

2000年から2020年にかけて、「子供の住宅へ引っ越したい」「病院に入院したい」と回答している人の割合はどんどん減ってきています。

「子供に迷惑をかけたくない」

と考えている親が多いのではないでしょうか?

私の父はちゃっかり者で、ずいぶんと昔から自分が死んだ後に子供たちに迷惑をかけないようにと遺言書を書いたり、身辺整理をしたりしています。
自分たちのお墓まで用意済みです。

しかし、勝手に色々決めてしまう父に対し、母の本心はどうなのだろうと思ったのです。
前回帰省した時、私は母にこのような質問をしました。

「お母さんは最期にどんな景色を見て死にたい?」

最初に母から帰ってきた答えは、

「そんなこと考えたくない」

という言葉でした。
そりゃそうですよね。

でも、私は母が希望する最期を迎えることが私にとって嬉しいことなのだと伝えた上で、

「病院や施設の天井を見て終わりたい?」

と聞くと、

「庭を見て死にたい。骨は海にまいてほしい」

と言いました。

骨を海にまくのは無理かなぁと思いますが、母は庭仕事がとても好きなのです。

私の実家にはあちこちに花がたくさん植えられています。
敷地の一角には母がコツコツ作り上げた立派な庭があって、一年中素敵な花が咲いています。
母は日光アレルギーがあって庭仕事は控えなければいけないのですが、真っ赤になりながら花を育てたり畑仕事をしたりして生活しています。

それだけ丹精込めて育ててきた庭ですから最期の場所に選びたいのには納得がいきますよね。

このように、親は子供には迷惑をかけたくないという思いで、自分の本音を気付かないうちに隠してしまっているのです。
父も、世話にはなりたくないと言っていますが、もともと誰かの下で働くことが大嫌いで自営業を営んできた人間ですから、きっと自由気ままに過ごせる自宅にいる方が幸せなのだろうと思います。

今、私はこの記事を書きながら大号泣しています(笑)

そのぐらい、親がいつまでも元気ではないという現実を受け入れるのは親も子も難しいことです。
でもこうして親が元気なうちに介護について話し合うことで初めて、これから先のライフプランを考えることができるのです。

さぁ、ここから先は、実際に介護にはどのぐらいの費用がかかるのか見ていきましょう。

要介護状態となった場合の必要資金

まずはじめに、要介護(要支援)の状態というのは次の7つの区分に分けることができます。

要支援状態や要介護状態と判定されると、介護保険を使って様々な介護サービスを受けることができます。
この介護度によって介護保険が使える単位数が定められており、介護度が高いほど利用できる単位数も大きくなります。

介護保険は介護サービスごとに各自治体が定める地域単価というものがあり、利用した単位数に地域単価をかけた金額の1~3割の負担で介護サービスを受けることができます

例えば、地域単価が1単位当たり10円の介護サービスを受けるとすると、要介護5では362,170円まで介護保険を利用することができます。
限度額いっぱいまで介護サービスを利用した場合、1割負担の方だと自己負担額は36,217円ということになりますね。

もし、この区分支給限度額を超えてしまった場合の超過分や、介護保険の範囲外の費用(介護用品の購入費用等)全額自己負担となりますので注意が必要です。

生活保険文化センターが2021年に行った調査では、介護保険の範囲外にかかった費用は、初期費用では平均234万円、月々の費用では平均15.8万円という結果が出ています。

結構高いなという印象を受けた方も多いのではないでしょうか?

介護期間はどのぐらいに及ぶのか

これは人によってとても差があるものですが、平均してどのぐらい介護期間が続くのかを知っておくことは、備えておくべき費用を考える上でとても重要です。

こちらも生命保険文化センターが調査を行っており、2021年には平均181.2か月という結果が出ています。
年数に換算すると15.1年です。

あなたが想像していたより短いですか?長いですか?

実はこの記事を書くにあたって、事前に母に祖母(母にとっては義母)を介護していた時の話を聞きました。
母はマメで介護日誌を付けていたので、詳細に当時の話を教えてくれました。

祖母の妄想が始まったのは2005年の秋。
当時私の夫はまだ大学生で、父が経営する店の一部を間借りして生活していた頃のことです。
実家とは歩いて数分の場所にあったのですが、母がお店にやってきては

「おばあちゃんが私がお金盗んだとか、ご飯を食べさせてくれないとか近所の人に言いふらしてる」

と話すようになったことを覚えています。

そんな事実は全くないのですが、最初のうちは近所の方の目も厳しく、母も疲弊していました。
次第に近所の方も祖母の様子がおかしいことに気が付いて、少しずつ理解をしていただけるようになったように記憶しています。

とても頑固者だった祖母を病院に連れていくことは難しく、

「インフルエンザの予防接種に行こうね」

と言って通院していたそうです。

それから10年後の2015年に祖母は施設に入所しました。
それまでの間、親戚に祖母の介護を頼んだこともありましたが、あまりの大変さにもう関わりたくないと断られ、母は父と二人だけで必死に祖母の介護をしてくれました。

施設に入ってから5年後の2020年、祖母は98歳で空へと旅立ちました。

まさに統計通り15年の介護生活を送ったのです。

私は離れて暮らしているので、ほとんど祖母と関わることなく過ごしていましたが、とても長い時間だったと感じています。
実際に介護をしていた母にとっては、もっともっと長い時間だと感じたことでしょう。

そして、とても大変な介護を経験したからこそ、自分の子供には同じ思いをさせたくないと思ってくれているのだと思います。

施設に入るまでの一番大変な時間を両親だけの力で介護を行っていたことに、本当に頭の下がる思いです。
今だったらもっと早く介護サービスの力を借りるようにアドバイスできたのにと、今頃になって何も手伝ってこなかったことをとても後悔しています。

祖母の介護と向き合ってこなかった私に言えることではないのでしょうが、介護の期間は長く大変な時間が続くものと知っておく必要があります。
介護の大変さを軽減させるためにも、近くの相談先(地域包括支援センターなど)がどこにあるか探しておいたり、親に不安な症状が出たら早めに病院に行こうと今のうちから約束しておくと良いでしょう。

介護費用は誰が負担するのか

基本的に介護にかかる費用は、介護を受ける本人(親)の自己資金から捻出するものと考えてください。
ですから、現在親がどのぐらいの資産を持っているのかを確認しておくことはとても重要です。

  • 通帳はどのように管理していて、どんな資産があるのか
  • 公的な介護保険でなく、民間の介護保険に加入しているかどうか
  • 生命保険など、その他の民間保険の加入状況

介護に加えてお金のことを話すのは、非常にセンシティブな内容なので直接聞きにくいことだと思います。
しかしこれらの情報は、親がしっかりと会話ができるうちでないと確認することが難しくなってしまいます。

特に親の貯金は本人の意思がはっきりしていなければ本人が同行しても引き出すことはできません
親族とは別に成年後見人を立てるか、親族が後見人になる場合には裁判所から適任であるとの判断を貰わなければなりません。

そのような手続きが行われていないと親の資産を使って介護をすることができなくなってしまうので、子供である私たちの自己資金を出さなければなりません。
兄弟がいる場合は誰がお金を出すのかと揉めることにも発展しかねません。

そんなことで家族がバラバラになってしまうことは親も子も望んでいませんよね。

しっかり話し合っておかないと、逆に私たち子供が苦労してしまうということを説明すれば親の理解も得られることでしょう。

まとめ

  • 親と過ごせる残り時間は意外と少ない
  • 70歳を超えたあたりから介護が必要となる割合が増えてくる
  • 親は子供に迷惑をかけたくないという思いから、自分の老後について本音を隠している場合がある
  • 親の望む将来を尊重したければ、親の意思がはっきりしている間にしか確認できない
  • 介護は平均15年と長い年数付き合う必要がある
  • 親も子も満足いく介護を行うために、親の意識がしっかりしている間にお金の話はうやむやにしない方が良い

今日は、少し切ないお話にお付き合いいただきありがとうございました。

あなたのご両親はどんな最期を望まれるでしょうか?
私の母と同じように迷惑をかけたくないとおっしゃるかもしれませんね。
でも、最期まで誰にも迷惑をかけずに生涯を終える人はほとんどいないでしょう。

介護は避けては通れない問題だと覚悟をする必要があります。
そして介護はとても大変なものです。
しっかりとお金の話し合いができていなければ、体力的・精神的負担に加えて金銭的な負担が自分の家庭にのしかかることになります。

時にはプロに介護を任せる必要も出てくるでしょう。
そんな時にも費用の問題は避けては通れないことです。

とはいえ親が元気なうちにはなかなか言い出しにくい問題ですよね。
しかし「その時」はいつか突然やってきます。
今年のお盆に帰省のご予定がある方は、少しずつでも話題に出してみてはいかがでしょうか?

勇気を出して話してみれば、意外と理解してもらえるものですよ。

そして何より、今の何気ない日常を大切に、素敵な思い出を一つ一つ積み重ねておきたいものですね。

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