最近、またコロナの感染者数が増加しているとのニュースを耳にしました。
以前と比べれば感染者数は大きく減ったものの、感染してしまうとしばらく療養が必要ですよね。
まだ新型コロナウイルスがまだ2類相当の位置付けだった時、夫が感染したことを皮切りに、順番に家族が感染し、約1か月仕事に行けなかったことがあります。
その後も夫はコロナの後遺症で味覚と嗅覚がなくなってしまい、現在も毎月病院に通っています。
そんな夫が今年6月のはじめに2度目の感染をしたのです。
今では5類に変わり、濃厚接触者でも仕事に行くことが可能になりましたが、患者本人は外出は認められるものの、少なくとも5日間は出社できない場合が多いです。
夫はとても大事な仕事があったのですが出社は認められず、約1週間お休みをいただくことになりました。
幸いにも夫の会社は福利厚生が手厚く、通常の有給休暇の他に病気で出社できないときのための特別な有給休暇があります。
なんとトータルして最大で100日間休むことができるんですよ!
ですから、1か月お休みをして、毎月の通院があっても、今回の感染も有給休暇で対応することができました。
でも、これほどまで手厚い会社はなかなかないですよね。
もし、もっと長期間休まなければならないケガや病気になってしまったら、有給休暇では対応できないことが多いでしょう。
そうなると、その期間はお給料がいただけず、生活が成り立たなくなってしまいますよね。
そんな時に活用したいのが傷病手当金です。
傷病手当金がどんなものかご紹介したいと思います。
傷病手当金とは
傷病手当金は、業務外の病気やけがで働けずお給料が支給されない場合に加入している健康保険から給付を受けることができる制度です。
傷病手当金を受けるにはいくつかの条件があります。
- 健康保険の被保険者であること
- 労務不能となった日から連続3日を経過した休業4日目から支給される
- 医師と事業主の証明が必要
これらの条件に当てはまる場合、次のような計算式で1日当たりの支給額が決まります。
直近1年間の平均標準報酬月額÷30×2/3
普段支給されているお給料より少し減ってしまいますが、有給休暇が使えない場合は非常に助かる制度ですよね。
また、支給期間も支給開始日から通算して最大で1年6か月支給されますので、大きな病気にかかった時も非常に心強いですよね。
しかし、ここで注意が必要なのは、被保険者に扶養されている方は支給の対象外であるということです。
例えば奥さんが短時間のパートタイマーで、保険証は旦那さんの会社から発行されているものを使っている場合、奥さんが長期間仕事を休んでも傷病手当金を受ける権利はありません。
この観点からも、10月から社会保険加入の適用範囲が広がることでパートの時間を減らすか増やすか悩んでいる方には、可能な範囲で勤務時間数を増やして社会保険に加入されることをお勧めしています。
傷病手当金は退職してからも使える
治療をしてもなかなか病気が良くならず、仕事を辞めなければならない状態になってしまうこともありますよね。
先程、傷病手当金の支給条件として「健康保険の被保険者であること」と申し上げました。
しかし仕事を退職すると健康保険の被保険者としての資格を喪失し、保険証を返却しなければなりませんよね。
しかし、以下の条件を満たしている場合、引き続き傷病手当金を受けることができるのです。
- 資格喪失前日までに引き続き1年以上被保険者であったこと
- 資格喪失時に傷病手当金の支給を受けているor支給を受けることができる状態にある
私がうつ病を患って仕事を辞めなければならなくなった時、会社の顧問社労士からこの制度を教えていただきました。
うつ病だとすぐに転職することもできませんし、働ける状態ではありませんので、雇用保険の失業保険給付を受けることもできません。
傷病手当金があることで、お金の心配をすることなく治療に専念できました。
退職後、最初の申請は会社が行ってくれますが、その後は自分で申請する必要があります。
しかし2回目以降の申請は簡単ですので、心配する必要はありません。
申請方法が分からなければ年金事務所で教えてもらうこともできますよ。
まとめ
- 健康保険に加入していると、万が一の場合に傷病手当金を受けることができる
- 傷病手当金は3日以上連続して休んだのち4日目以降から支給される
- 傷病手当金は通算して1年6か月の間、お給料の約2/3が支給される
- 退職後も引き続き傷病手当金の給付を受けることができる
最初にも申し上げた通り、コロナに感染すると5日程度は出社することができません。
連続して5日間お休みすると2日分という短い期間ではありますが傷病手当金を受給することができます。
入社したばかりで有給休暇がまだ付与されていない場合などは基本給も少ないでしょうから、2日分でも大変助かる制度ですね。
また私のようにうつ病などの精神疾患を患って退職した場合、お金の問題は病状を悪化させる原因の一つとなります。
うつ病は気持ちがとてもネガティブになり、いつ治るのかも分かりませんし、いつになったら元のように働けるようになるのかと大変不安になります。
そんな時に最大1年6か月という長い間、働いていた時並みの給付を受けることができるので、安心して治療に専念することができます。
その間にしっかり休養して働けるようになったら、次の仕事が見つかるまでの間、雇用保険の失業給付を受けることも可能です。
※失業給付を受けるためには一定の条件と別途手続きが必要です
傷病手当金は大変手厚い公的な社会保険制度です。
民間の医療保険に加入している場合には、このような制度があることを踏まえて見直しを行うと、過剰な保険に入っていることに気付く場合があります。
これを機に一度保険を見直してみると保険料が安く抑えられるかもしれませんね。